被リンクの重要性とは?SEOへの効果や質の高いリンクの増やし方

被リンクとは?
被リンクという言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような役割を果たすのか、いまひとつピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
被リンクは、簡単に言うと「外部のホームページから自社のホームページへ向けられたリンク」のことを指します。実は検索エンジン最適化(SEO)において非常に重要な要素であり、ウェブサイトを成長させるうえで欠かせない存在です。

被リンクは英語で「バックリンク(backlink)」とも呼ばれます。
リンクという言葉だけでもややこしく感じられるかもしれませんが、被リンクとあわせて覚えておきたいのが「発リンク」です。

発リンクとは「自社のホームページから外部のホームページへ向けたリンク」のことで、被リンクと対になる概念です。
自分のサイトからほかのサイトを紹介するのが発リンクで、逆にほかのサイトが自分のサイトを紹介してくれるのが被リンクというわけです。
SEOにおいて被リンクが重要な理由
検索エンジンがサイトを評価する基準のひとつに「どのくらいほかのサイトからリンクされているか」があります。

多くのサイトからリンクを獲得しているということは、それだけ多くの人に「参考になる」「価値がある」と思われている証拠になるため、検索エンジンも高い評価を与えやすくなります。
ただし、単純にリンク数ばかり増やしても効果は限定的です。質の低いサイトから大量にリンクされても、逆に検索エンジンから疑いの目を向けられる可能性があります。信頼性が高く関連性の深いサイトからのリンクを積み重ねることこそが、SEOにおいてもっとも重要なポイントです。
被リンクの「質」がカギ!自然なリンクを増やそう
被リンクには数よりも質が大切だという話を耳にしたことはありませんか?
自然に集められた「良いリンク」は高く評価されますが、反対に作為的に増やされた「悪いリンク」はリスクを伴うことがあります。
そこで、被リンクにはどのような種類があるのか、そして自然なリンクを増やすにはどんな工夫をすればいいのかを解説します。
良質なリンクとは
自然なリンクは、コンテンツの質が高ければ高いほど生まれやすくなります。

たとえば専門性の高い記事を書くと、同業界のサイト運営者が「このサイトに詳しく書いてある」として参考資料として紹介してくれるかもしれません。
また、精度の高い図解資料を作成すれば、文字だけでは伝わりにくい情報をわかりやすく可視化している点が評価され、ユーザーによって引用されることが増えます。
さらに、企業独自の研究やアンケート調査をまとめた記事なども、他のサイトやブログが「ここにしかない情報だ」と判断してリンクを貼ってくれるきっかけになります。
自然なリンクの良さは、コンテンツの価値が多くの人に認められるほど、自社サイトの信頼性や知名度が向上するところにあります。
しっかりと役に立つ情報を提供すれば、自然と他のサイトやユーザーからリンクをもらえる流れができあがり、結果的に検索エンジンからの評価も高まっていきます。
悪質なリンクとは
一方で、被リンクのなかには「不自然なリンク」と呼ばれる悪質なものも存在します。

具体的には、検索エンジンの仕組みを逆手に取り、金銭のやりとりでリンクを購入したり、互いに協力し合って過剰な相互リンクを増やしたりする手法が挙げられます。
これらは以前の検索エンジンの仕組みでは効果を発揮していた時期もありましたが、近年はGoogleが不自然なリンクを厳しく取り締まるようになったため、むしろSEO上のリスクになる可能性が高いです。
もしGoogleに「リンクスパム」と認識されてしまうと、検索結果からの除外や順位の大幅な下落といったペナルティを受けるおそれがあります。
Googleが定めるポリシーに反する行為は、中長期的に見て自社サイトに致命的なダメージを与えかねませんので、早めに不自然なリンクを手放すことが重要です。
すでに外部サイトとのやりとりで不自然なリンクを獲得してしまった場合は、早めの対処が必要です。
過去にリンク購入や過剰な相互リンクを行った事例があれば、どのサイトからリンクを受けているのかをチェックして、必要に応じてリンク削除や否認手続きを取ることを検討しましょう。Googleサーチコンソールなどのツールを使うと、被リンクの一覧を確認できるので便利です。
被リンク獲得するためにやっておくべきこと
被リンクを増やすうえで大前提となるのは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することです。
ここでは、被リンクの獲得を目指す際に意識しておきたいポイントを、Googleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」で示されている内容を踏まえながら解説します。

質の高いコンテンツを意識する
まず、被リンクを増やすためには、ユーザーの悩みや疑問に応える質の高い情報を作成し、それをきちんと整理してわかりやすい形で提供する必要があります。
これは特別な手法ではなく、SEOにおける基本的なアプローチです。ユーザーの役に立つ魅力的なコンテンツを作ることで、検索エンジンにも評価されるだけでなく、自然な形で被リンクを獲得しやすくなると考えられます。
実際、Googleのガイドでは「魅力的で役立つコンテンツを作成すること」がほかの施策よりも有効だとされています。
魅力的で役立つという基準は人によって異なるかもしれませんが、以下の点が重要だと述べられています。

誤字脱字や文法的な誤りをなくすのはもちろんのこと、必要に応じて段落や章を分けて見出しをつけるなど、全体を通して読み手にとって理解しやすい構成を意識することが大切です。
さらに、新規のコンテンツを作成する際には、他人の文章をコピーせずに自分自身の知識や経験を反映させる工夫も求められます。過去に公開した記事についても、内容が古くなっていないかを定期的に見直し、必要があれば更新や削除を行うことで、常に最新の情報を提供できるようにするとよいでしょう。専門知識や豊富な経験をもつ発信者が執筆した記事には独自性が生まれ、読者からの信頼度も高まります。
このように、被リンクを増やすためには「魅力的で役立つコンテンツ」を積み重ね、結果として自然にリンクされる状態を目指すことが理想的です。
逆に、作為的にリンクを集めようとする行為は逆効果につながる可能性があり、Googleなどの検索エンジンからペナルティを受けるリスクもあります。
そのため、被リンク自体を目的化せず、あくまで良質な情報提供を行った結果として被リンクが増えていく、という姿勢を持つことが大切です。
使いやすさを重視したホームページ
質の高いコンテンツを整えたあとに考えたいのが、ホームページの使いやすさです。
たとえ素晴らしい情報を用意していたとしても、スマートフォンで操作しづらかったり、ページの読み込み速度が極端に遅かったりすると、せっかく興味を持ってくれたユーザーも途中で離脱してしまいがちです。結果として、友人や知人に共有しようという気持ちにもなりにくいかもしれません。

これは、美味しい料理を提供している飲食店が、不衛生な店内だったり、料理の提供スピードがあまりにも遅かったりする場合に似ています。いくら味が良くても、店全体の環境に問題があると「また行きたい」と思えず、人におすすめしづらくなるものです。
ホームページの場合も同様に、質の高いコンテンツと快適に利用できる環境がそろってこそ、ユーザーに愛されるサイトになります。
SNS共有ボタンの導入

自社のホームページにSNSのシェアボタンを設置すると、ユーザーが興味を持ったコンテンツを簡単に共有できるようになり、多くのユーザーにコンテンツが拡散されるチャンスが生まれるのです。
ただし、SNSからの被リンクはSEOに直接的な効果をもたらすわけではありません。
GoogleのJohn Mueller氏も、「ソーシャルシグナルが検索ランキングに直接的な影響を与えることはない」と述べています。その理由の一つとして、SNS上のリンクにはnofollow属性が設定されている場合が多い点が挙げられます。nofollow属性とは、リンク元とリンク先の関係性を伝える「rel属性」の一種で、「<a rel=”nofollow” href=”URL”>テキスト」のように記述します。
これによって、検索エンジンがリンクを辿ることが制限される仕組みです。
とはいえ、SNSでコンテンツが共有されると、それを見たユーザーが自身のブログやホームページで紹介してくれるかもしれません。そうした二次的な拡散によって、結果的に被リンクが増える可能性が高まります。
そのため、SNSのシェアボタンを設置して、コンテンツをより多くの人に知ってもらうことは、間接的ではあっても被リンクの獲得につながる有益な施策と言えるでしょう。